糖尿病と足のトラブル


糖尿病の患者さんは、足に病変が起こることがあります。 最悪の場合は、壊疽になり、足を切断しなくてはいけなくなることもあります。 足のちょっとした傷からだんだんと重症化し潰瘍になり、壊疽にまで進展するのです。 この最初のちょっとした傷は、靴に問題があり起こる(靴擦れ)ことも多いようです。 靴に関して日頃の注意点について述べたいと思います。

まず靴下をはくことです。 長時間歩くときは、少し厚手の物を履くと良いでしょう。 しかし、このために靴が窮屈になっては、血行障害が起こり逆効果ですので、 注意が必要です。靴の中敷きも大切です。 これは、固い道路の歩行に対してのショックをやわらげ、 土踏まずの低下を防ぎ、靴の中での足の過剰な滑りを防ぎます。 新しい靴を買ったときは、特に注意が必要です。 1日5分くらい履いて、少しずつ時間を延ばしてならしていく必要があります。 坂の上り降り、重い物を持っての歩行も靴擦れができやすいと言われています。 意外に知られていないのが、濡れた靴での歩行が危険であるということです。 これは、靴が水を吸い変形し、靴の中での足の動きが大きくなるのと、 皮膚が濡れるために、柔らかくなり、傷つきやすくなるためです。 雨降りの時は、防水靴や防水フードの使用が望ましいと言われています。

市販の靴で、靴擦れを起こしたことのある人は、 靴の専門店で特別に靴を作ってもらうことも必要ですが、 日本では費用の面や、靴の専門家が少ないなどの理由であまり一般化していません。 そして何より大事なのは、1日1回は、自分の足をよく見てみることです。 夜寝る前に、自分の足を観察するよう習慣づけてはどうでしょうか。 


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