糖尿病と電子カルテ


医療の分野でもITの波は押し寄せてきています。

カルテといえば紙に書かれた物と思いがちですが、これをコンピュータで保存、 管理しようという試みが盛んに行われています。

厚生労働省でも積極的にこれを推し進めています。

糖尿病の分野では、検査結果が数値で表れる物が多く、コンピュータで保存、管理するには大変都合が良いと思われます。

また、保存された内容が病院間で共有できるなら、病院がかわっても、今までのデータが利用できるなど、メリットははかり知れません。

すでに、多くの電子カルテが市販されています。筆者もいくつか見てきましたが、筆者がみた電子カルテはすべてV Bで書かれており、まだまだ過渡期であると言わざるを得ない状態です。

データを効率よく管理するには、データベースに接続する必要があります。

通常のコンピュータ言語では、データベースに接続するプログラムを書くのは、データベースに関する豊富な知識を要します。

しかし、VBと呼ばれるものを使うと、データベースの知識は皆無でも、簡単にプログラムが作れてしまいます。

そんな便利な物があればどんどん活用すれば良いではないか、と思われるかも知れません。しかし、VBとは昔のBASICの流れを汲む言語で、つい最近まではインタープリタ言語でした。

プログラムのサイズが巨大となります。動作は大変遅いです。

「大きい、遅い」を克服するには機械を速い物にしなくてはなりません。

メモリもたくさんないとうまく動きません。

さて、マイクロソフトなどで市販されている(あるいは無料で配布している)プログラムでVBで書かれた物はあるでしょうか。

筆者の知る限りに置いては皆無です。VBで書いた物を商品として売り出すには、かなり無理があります。

シェア・ウェアで低価格の物(2000円以内の物)はVBで作るということもあり得ます。

しかし、常識的には1万円以上のアプリケーションをVBで作り、売り出すと言うことはちょっと考えにくいのです。

ところが、電子カルテはVBで作ってあるにもかかわらず、数千万時には億単位の価格がつけられています。まず、これを何とかしないことには、医療の分野はいつまでたってもIT後進国などと言われてしまいます。


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