糖尿病と赤血球の異常


 血液の成分の中に赤血球というのがあります。 その内部には、ヘモグロビンというタンパク質が含まれており、 酸素を結合しこれをいろいろなところに運搬する重要な働きを持っています。 この赤血球は、血液1立法ミリメートル(1ccの1000分の1)中に およそ500万個も存在しています。 この赤血球の形は、円板状をしており中央がくぼんでいます。 直径はおよそ7〜8ミクロン(1ミクロンは、1mmの1000分の1)あります。 ずいぶん小さいように思われますが、体の隅々までいくには、まだ幾分大きいのです。 それで赤血球は、折れ曲がったりしながら、狭いところに入っていきます(赤血球の変形能)。 このとき、赤血球が柔軟(変形能が正常)であれば問題がないのですが、 硬くなっていると(変形能の低下)狭いところに入っていけなくなります。 つまり体の隅々まで、酸素を運べなくなってしまいます。 また、硬いまま無理に狭いところ(毛細血管)を通過すると、 通過された側(毛細血管の内側)を傷つけてしまう可能性もあります。 糖尿病では、こういった赤血球の変形能が低下することが知られています。 また血糖値が高いと、せっかく赤血球が体の隅々までいけたとしても、酸素をはなす効率が悪く、 組織が慢性的な酸素不足になる傾向があるともいわれています。 こういったことも合併症が起こる原因の一つではないかと想像されています。 人間の体は、非常に精密にできていますが、逆に糖尿病という代謝異常があると、 いろいろな方面に思いがけない悪影響がでてくることになります。 その影響を少しでも少なくするために日常のの血糖コントロールが重要です。


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