糖尿病とレジスチン


「太る」ということは、一般的に体の脂肪細胞の重量が増えるということです。肥大化した脂肪細胞からは、悪玉のアディポサイトカインと呼ばれる物質が分泌され、インスリン抵抗性を引き起こします。この悪玉のアディポサイトカインの一つである「レジスチン」と糖尿病発症には深い関係が有るらしいことがわかってきました。

愛媛大学の研究グループはレジスチン遺伝子の一部に変異がある人では、そうでない人にくらべ約2倍糖尿病になりやすいことを明らかにしました。

この遺伝子のタイプはG/G, G/C, C/C型の3通り有り、G/G型がもっとも糖尿病を発病しやすいといわれています。G/G型のレジスチン遺伝子を持つ人は、血中レジスチン濃度が高くなりやすく、インスリン抵抗性を生じ、糖尿病になりやすいと考えられています。

この、遺伝子型を、簡単に安価に同定する方法が開発されたら、健康診断の検査項目に加えられるかもしれませんね。

G/G型の人は、糖尿病を発症させないためにより厳格な、食事・運動療法が必要となるでしょう。


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