糖尿病とSQLサーバ


本稿の第118回で、当院では糖尿病関係のデータベース運用に、SQLサーバを利用し始めたと書きました。

その後、試行錯誤の結果いくつかの方面で活躍し始めました。

まずは、糖尿病外来の予約システムを実現しました。最初のうちは、予約する患者さんのIDをいちいち入力しなくてはいけませんでしたが、これではめんどうです。

そこで、すでに導入されているオーダーリングシステムで現在開いている患者さんのIDや氏名をメモリ中から取ってきて、自動的に予約システムに取り込む仕掛けを作りました。

また、全くの新患の人は事務でレセプト作成ソフトに入力中にデータを自動的に取得する仕組も作ったので、新患の患者さんに対しても氏名やIDの入力は一切不要になりました。

次回予約日と時間も簡単に入力できるようにしました。

このような、データはわれわれが独自に稼働しているSQLサーバに蓄積されます。

蓄積されているデータは、いろいろな形に加工して閲覧することができます。

予約が入っているのに、来院していない患者さんの検索も瞬時に表示することができます。 また、次回来院予定の人数が前もって予測できるのでいろいろな部門で役に立っています。

もちろん、個人情報保護の観点から、コンテンツはサーバー認証空間内においてあるので、IDとパスワードを知らないと閲覧することはできません。

最近は、予約システムの他に、栄養指導の記録や予約もSQLサーバに蓄えています。 これにより、現在診察中の患者さんの過去の栄養指導の内容も簡単に閲覧することができます。また、栄養指導記録には、その時の身長、体重が記載されているので、BMIが25以上の人の一覧なども簡単に表示することができます。

さらに、栄養指導記録は、問題点・主観的データ・客観的データ・評価・プランなどに分けて記載されているので、それぞれの項目から、ある単語を含む記録の検索も容易です。たとえば、アルコールの問題を持つ患者さんの検索もできるわけです。

このように、SQLサーバを利用すると非常に有用なデータベースを構築することができます。IDや氏名は一つの表から参照されるので、異なるデータどうしの結びつきも簡単に実現できます。IDや氏名などの入力ミスもありません。

そして、回線でつながっているどのパソコンからでも入力、閲覧が可能であることが便利さを増しています。


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