糖尿病と健康食品


最近は、テレビでも新聞でも健康食品のコマーシャルがあふれています。「糖尿病によい」、「血糖値が下がる」などをうたい文句にした健康食品も少なくありません。 そもそも、健康食品とは何でしょうか。「健康の維持、増進に役立つ食品」という曖昧な定義でした。

しかし、平成13年に厚生労働省が「保険機能食品制度」というものを創設してからは少しはすっきりしてきたようです。

保健機能食品は、使用目的や機能により「特定保健用食品」と「栄養機能食品」に大別されます。

「栄養機能食品」とは何らかの理由で一日に必要な栄養成分がとれない場合に、その補給のために利用する食品のことです。これには、一日あたりの摂取量の目安を表示しなくてはいけません。取りすぎると害になる成分もあるからです。また、栄養機能食品として販売するには、特に国などの審査もなく届け出の必要もありません。

これに対し「特定保健用食品」とは、食べることによって期待できる効果・効能について、明らかな科学的根拠があり、その有効性、安全性について審査が行われ、許可されたもの、と言うことができます。

もちろん、これらは薬ではないので、病気の治療に関しての表示は一切認められていません。

また、これらに似たものとして「健康補助食品」というのがあります。これは、食生活の乱れている場合に、その不足した栄養成分をも補給したり、健康を維持するために用いられる食品であり、「日本健康・栄養食品協会」というところで、認可されたものであり、国が直接認可しているわけではありません。

いずれにせよ、糖尿病治療の基本原則は、正しい食事療法と適切な運動療法であり、保険機能食品を摂取したい場合は主治医に相談してみるのがよいでしょう。


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