糖尿病とホモシステイン再び


本連載の2003年10月にも、ホモシステインを取り上げましたが、もう少し詳しく見てみることにします。

ホモシステインが、動脈硬化と関係が深いことはすでに述べました。また、糖尿病の人が高ホモシステイン血症を合併すると、心筋梗塞などの心血管系の病気の発生が増えるとの報告も見られます。また、糖尿病患者の認知機能障害とホモシステインの関連性も注目されています。

血液中のホモシステインを上昇させる要因はすでに多数知られています。ビタミンB12,B6,葉酸などのビタミン不足はホモシステインを上昇させます。、女性であれは閉経後にホモシステインが上昇することもしられています。また、男女とも高齢になるとホモシステインが上昇します。たばこやコーヒー、アルコールもホモシステインを上昇させると言われています。糖尿病の人はそうでない人に比べてホモシステインが高くなっています。血糖コントロール状態とホモシステイン濃度の関係については、いろいろな報告があり、一定の結論には至っていないようです。うつ病でもホモシステインが高くなっているという報告があります。そのほかにも多数の要因が知られています。

では、ビタミン不足でホモシステインが上昇している場合、不足しているビタミンを補うとホモシステインは減少し、動脈硬化性疾患の発症を減らせるのでしょうか。もしそうであれば積極的にビタミンを補充する治療法も考えられます。

一部、効果を示唆するデータも報告されていますが、まだ研究途上のようです。 今後さらに、詳細な報告が増加するものと思われます。


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