血糖値とヘモグロビンA1c


ヘモグロビンA1cは、過去1-2か月の平均的な血糖値を表すといわれています。昔から、多くの研究者が血糖値とヘモグロビンA1cの関係についての研究を行ってきました。

この「平均的な血糖値」とは、具体的にどの時間の血糖値を指しているのでしょうか。空腹時血糖なのでしょうか、それとも食後の血糖なのでしょうか。あるいは、一日に何回か血糖値をはかって、これらを平均したものなのでしょうか。

最近は、食後の血糖値がヘモグロビンA1cに与える影響が大きいという報告が多いようです。たとえばフランスのLouis Monnier先生は、インスリンや糖質の吸収を遅らせる薬を使用していない290人の糖尿病患者さんについて、細かな分析を行い報告しています。

これによると、血糖コントロールがよいほどヘモグロビンA1cは食後の血糖の影響を受けるとのことです。さて、この論文をよく見ると、ヘモグロビンA1cの値に応じて290人の被検者を58人ずつの5つのグループに分けて検討しています。そして、各グループのBMIの平均値はほとんどのグループでも30前後です。対象がフランス人なので肥満の人が多いのかもしれません。この検討結果が日本人にもそのまま当てはまるのかどうかはわかりませんが、食後の血糖値が高くならないようにコントロールすることが重要であることには違いありません。


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